辛いものが好きだ。
大好きだ。
辛ければ辛いほど美味しい!
だから、何にでも唐辛子を入れたくなる。

そんな私は,自称グルメ♪
「味音痴では?」
等という、全く持って失礼な質問も何のその!
「まさかまさか・・・あり得ませんっ!」
と,強く否定してきた。

がしかし、
「辛い=美味しい」
の方程式が成立する最近の私の舌・・・。
(とうとう味覚は、寿命を迎えたか?)
と私自身も疑わざるを得ない。

‘ベロバカ’という言葉に、
悔しいかな、親近感を覚え始めていた。



そんなある日、
友人が我が家に遊びにきた。

張り切って、手料理を披露した私!
出来上がったのは、
スパゲッティーカルボナーラ

我ながら自信作!
のはずだった・・・。

しかし・・・

ちょっと,味にしまりが無い!
「では早速♪これでどう?」と、
ブラックペッパーをパパッとプラス!

それでも少し物足りない!
「まかしといて♪必殺技っ!」と、
いつもの唐辛子をパパッとプラス!


・・・っとその時!!!!
「あ”っっっ!!!」

それは、一瞬だった。


目の前のカルボナーラが、
ミートソースに変身した・・・。


右手には、カラのビン・・・。
左手には、キャップと内蓋・・・。

買ったばかりの唐辛子。
一瓶丸ごと、ふり掛けた。

しかもわざわざ,友人のお皿に・・・。


その時、
ふと脳裏をよぎった岩淵家の教え。
〜食べ物は粗末にしてはいけない!〜


という訳で、2人で手分けして、
‘辛ボナーラ’を食べることにした。

しかし、やっぱり辛い!
燃えやすいものには要注意!
口から火が出るとは、まさにこのこと!

「辛すぎて、美味しくない!」

と,その時
はっと気がついた!
「辛い=美味しい」
の方程式が崩れた瞬間だった!

「私は,舌は正常ですっっ!!!」

気管に入り込んだ赤い粉末に咳き込む友人をよそに、
一人感動を隠し切れない午後だった♪


が、しかし、
それ以来、
友人が我が家を避けるのは言うまでも無い・・・。