ジュッ


姉が火傷を負ったという。

なんでも、ロウソクの火を消そうとした時のこと。
吹いても吹いても、あまりに火が消えないものだから、
むきになって消そうとしていたら、
熱くなったキャンドルホルダーに上唇をつけてしまい、
ジュッと唇を火傷したとのことだった。

火を消すのに、そこまで顔を近づけるなど、
普通は、ありえない・・・。


そのことを私に伝えながら、
「あの子は、どうしようもない・・・」と呆れる母。

しかし、そういう母も以前、
焼却炉でものを焼いていて、
帰ってきたときには
前髪にパンチパーマがかかっていた。
中を覗いたときに前髪に火が引火したそうだ・・・。
ジュッと、一瞬で前髪がチリジリになったという。
しばらくはひどい髪型だった・・・。

どれだけ、顔を突っ込んだのだろう?
普通は、ありえない・・・。


そのことを思い出し、
「母も人の事は言えないではないか・・・」と呆れる私。


という私も、思い出した!
火に掛けたばかりの鍋の底を
なぜか素手で持った・・・。
ジュッとひとさし指が焼けた。
ふざけていたわけではない。
一人で黙々と作業をしていて、地味に悲鳴をあげた。
今火を消したばかりだったのに・・・。
なぜ触ったのかはわからない。
火に炙られているかのような痛みが夜まで続いた。

普通では、ありえない・・・?


これは遺伝なのでしょうか?